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 症状別疾患

椎間板ヘルニア

症状

腰や臀部が痛み、下肢にしびれや痛みが放散するなどの症状が現れます。
また、背骨が横に曲がり(疼痛性側弯)、動きにくい、重いものを持つと痛みが強くなることがあります。

原因と病態

椎間板は繊維輪と髄核でできていて、背骨をつなぎ、クッションの役目をしています。
椎間板が加齢などにより変性で断裂し、その一部が出てきて神経を圧迫して症状が出ます。
悪い姿勢での作業や喫煙などでヘルニアが起こりやすくなることが知られています。

診断

下肢伸展挙上試験(膝を伸ばしたまま下肢を挙上し座骨神経痛の出現を見る)や下肢の感覚が鈍いかどうか、足の力が弱くなっていないかなどで判断します。
さらにX線(レントゲン)撮影、MRIなどで検査を行い診断確定をします。


五十肩(肩関節周囲炎)

症状

肩関節が痛み、関節の動きが悪くなります。(運動制限)

痛み

動かすときに痛みがありますが、あまり動かさないでいると肩の動きが悪くなってしまいます。髪を整えたり、服を着替えたりすることが不自由になることがあります。夜中にズキズキ痛み、ときに眠れないほどになることもあります。

原因と病態

中年以降、特に50歳代に多く見られ、その病態は多彩です。
関節を構成する骨、軟骨、靭帯や腱などが透過して肩関節の周囲に組織に炎症が起きることが主な原因と考えられています。肩関節の動きをよくする袋(肩峰下滑液包)や関節を包む袋(関節包)が癒着するとさらに動きが悪くなります(拘縮または凍結肩)。

診断

圧痛の部位や動きの状態などを見て診断します。肩関節に起こる痛みには、いわゆる五十肩である肩関節の関節包や滑液包(肩峰下滑液包を含む)の炎症のほかに、上腕二頭筋長頭腱炎、石灰沈着性腱板炎、肩腱板断裂などがあります。


ぎっくり腰

いわゆる「ぎっくり腰」は急に起こった強い腰の痛みを指す一般的に用いられている名称で、病名や診断名ではありません。何か物を持ち上げようとしたとき、腰をねじるなどの動作をしたときなどに起こることが多いのですが、朝起きた直後や何もしないで起こることもあります。痛みの原因はさまざまで、腰の中の動く部分(関節)や軟骨(椎間板)に許容以上の力がかかってけがしたような状態(捻挫、椎間板損傷)、腰を支える筋肉やすじ(腱、靱帯)などの柔らかい組織(軟部組織)の損傷などが多いと考えられます。しかし、下肢に痛みやしびれ、力が入らないなどの症状がある場合は、椎間板ヘルニアや中年以上では腰部脊柱管狭窄症などの病気(疾患)の可能性もあります。


更年期障害

「閉経」とは、卵巣の活動性が次第に消失し、ついに月経が永久に停止した状態をいいます。月経が来ない状態が12か月以上続いた時に、1年前を振り返って閉経としています。日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、個人差が大きく、早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経を迎えます。
閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といいます。更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。
更年期障害の主な原因は女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していくことですが(図1)、その上に加齢などの身体的因子、成育歴や性格などの心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与することで発症すると考えられています。

症状

更年期障害の症状は大きく3種類に分けられます。

  1. 血管の拡張と放熱に関係する症状
    ほてり、のぼせ、ホットフラッシュ、発汗など
  2. その他のさまざまな身体症状
    めまい、動悸、胸が締め付けられるような感じ、頭痛、肩こり、腰や背中の痛み、関節の痛み、冷え、しびれ、疲れやすさなど
  3. 精神症状
    気分の落ち込み、意欲の低下、イライラ、情緒不安定、不眠など

更年期障害の特徴の一つは症状が多彩なことですが、これらが他の病気による症状ではないことを確認する必要があります。
(図1)

治療法

更年期障害は身体的因子・心理的因子・社会的因子が複雑に関与して発症しますので、まず十分な問診を行うことが必要です。その上で生活習慣の改善や心理療法を試み、それでも改善しない症状に対して薬物療法を行います。
更年期障害の薬物療法は大きく3つに分けられます。

  • 1. ホルモン補充療法(HRT)
    更年期障害の主な原因がエストロゲンのゆらぎと減少にあるため、少量のエストロゲンを補う治療法(ホルモン補充療法:HRT)が行われます。HRTは、ほてり・のぼせ・ホットフラッシュ・発汗など血管の拡張と放熱に関係する症状に特に有効ですが、その他の症状にも有効であることがわかっています。エストロゲン単独では子宮内膜増殖症のリスクが上昇するため、子宮のある方には黄体ホルモンを併用します(エストロゲン・黄体ホルモン併用療法)。手術で子宮を摘出した方には、黄体ホルモンを併用する必要はありません(エストロゲン単独療法)。HRTに用いるホルモン剤には飲み薬、貼り薬、塗り薬などいくつかのタイプがあり、またその投与法もさまざまです(図2)。
    よく話し合いながら、その人に合った最適な治療法を選択していきます。HRTに関しては、一時乳がんなどのまれな副作用が強調される傾向にありました。しかし最近になって、更年期にHRTを開始した人では心臓・血管の病気や骨粗鬆症など老年期に起こる疾患が予防できるという利点が、再び見直され始めています。

(図2)

  • 2. 漢方薬
    漢方薬はさまざまな生薬の組み合わせで作られており、全体的な心と体のバランスの乱れを回復させる働きを持ちます。多彩な症状を訴える更年期女性に対しては、「婦人科三大処方」とも呼ばれる当帰芍薬散・加味逍遥散・桂枝茯苓丸を中心に、さまざまな処方が用いられます。比較的体力が低下しており、冷え症で貧血傾向がある方に対しては当帰芍薬散を、比較的体質虚弱で疲労しやすく、不安・不眠などの精神症状を訴える方に対しては加味逍遥散を、体力中等度以上でのぼせ傾向にあり、下腹部に抵抗・圧痛を訴える方に対しては桂枝茯苓丸を、それぞれ処方します。
  • 3. 向精神薬
    気分の落ち込み・意欲の低下・イライラ・情緒不安定・不眠などの精神症状が最もつらい症状である場合には、抗うつ薬・抗不安薬・催眠鎮静薬などの向精神薬も用いられます。選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)やセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)などの新規抗うつ薬は副作用も少なく、またほてり・発汗など血管の拡張と放熱に関係する症状にも有効であることが知られています。

耳の不調

年令に関係なく音が聞こえにくい

「聞こえにくい」という症状は、「難聴」とも呼ばれます。難聴の起こり方は、徐々に聞こえにくい、ある日突然聞こえなくなるなど様々です。いわゆる加齢性難聴は、両方の耳が同じように長年かけて徐々に聞こえにくい状態で、誰しもがいつかは経験することになります。片耳の難聴、急になった難聴や変化のある難聴、耳なりやめまいを伴う難聴、耳だれや耳の痛みを伴う難聴は、メニエール病や突発性難聴、中耳炎などの治療可能な耳の病気で聞こえにくい可能性があります。

耳鳴り

耳なりは、実際には音がしていないのに、何かが鳴っている様に聞こえる現象です。一般に耳なりは、難聴とともに出現することが多いとされています。耳鳴りは本人にしか聞こえない自覚的耳鳴(じめい)と、外部から聞くことが可能な他覚的耳鳴とに分類されます。他覚的耳鳴の原因として、大小の筋肉のけいれんや、血管病変の拍動などが知られていますが、自覚的耳鳴の原因はいまだに不明で、心身症とも浅からず関連があると言われています。急性期の耳鳴には、まず難聴の原因となる疾患の治療が行われます。慢性化した耳鳴には、漢方薬の内服や精神安定剤の内服、局所麻酔薬の注射、鍼灸などの民間療法などが行われます。その他、慢性期におこなわれる治療として、神経生理学的耳鳴理論に基づくTinnitus Retraining Therapy(TRT)や鼓室内薬物注入療法、星状神経節ブロック、自律訓練法などがあります。

耳がつまる

耳に水が入った感じ、ふたをしたような感じ、ボワーンとした感じは、外耳、中耳、内耳、いずれに原因があっても起こります。

  • 外耳の場合は、耳あか、綿棒の先などの異物、プールや風呂で入った水、外耳炎の腫れや分泌物の鼓膜への付着などが原因となります。
  • 中耳の場合は、かぜに伴って鼻の奥と耳をつなぐ耳管(じかん)が腫れ、中耳の空気圧の調整がうまくできない状態(耳管狭窄症)、加齢や体重減少で耳管が開き過ぎた状態(耳管開放症)、中耳に水がたまった状態(滲出性中耳炎)などで耳のつまり感が出現します。
  • 内耳の場合は、低音部の内耳性難聴で耳のつまり感を訴えることが多く、金属音が耳ざわりに感じたり、ワーンといった耳なりやめまいを伴うこともあります。急性低音障害型感音(かんおん)難聴、メニエール病、突発性難聴などでよくみられる症状です。
  • (一般社団法人日本耳鼻咽喉科学会より)

出典元:
(図1)(図2)公益社団法人 日本産科婦人科学会